今月16日に実施された沖縄県知事選について翌日の朝刊の社説をお読みください。
まずは、産経新聞の「主張」
沖縄県知事選 政府は粛々と移設前進を
沖縄県知事選は、米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対する翁長雄志(おなが・たけし)前那覇市長が、移設容認派の現職、仲井真弘多(なかいま・ひろかず)氏を破り当選した。
翁長氏は「県内に基地を造らせないと訴えてきたので、これを第一にやりたい」と述べ、仲井真氏が昨年暮れに決断した辺野古埋め立て承認の取り消しや撤回の方策を検討する考えを示した。
だが、日米合意に基づく普天間移設は、抑止力維持の観点から不可欠であり、見直すことはできない。政府は移設工事を粛々と進めなければならない。
今後、辺野古移設反対派が、県民の意思が示されたと勢いづき、工事阻止をねらって反対運動を激化させることも予想される。
しかし、埋め立て承認は、明らかな虚偽など国の申請に瑕疵(かし)がなければ取り消すことができない。新知事が承認をほごにするようなことは、法的秩序を混乱させるものであり、認められない。
改めて認識すべきは、日本の安全保障に関わる基地移設の行方を決定する権能は、知事にはないという点である。
昨年10月の外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)の共同文書も辺野古を「唯一」の移設先とした。
軍拡を進める中国が奪取をねらう尖閣諸島は「沖縄の島」だ。沖縄の西に広がる東シナ海では、中国の海空軍が自衛隊や米軍に危険な挑発行為を繰り返している。最前線となった沖縄を守っているのは日米同盟である。移設の頓挫により、同盟の機能を低下させてはならない。
市街地に位置する普天間の危険性を除くためにも移設は待ったなしの課題である。反対派の行動は、普天間の固定化につながる最悪の選択となりかねない。
沖縄の負担軽減はもちろん必要だ。日米両国は8月、普天間の空中給油機部隊を米海兵隊の岩国基地(山口県)へ移駐させた。
政府は基地問題を総合的かつ現実的にとらえて対応するよう、県民や県に対して説明を続けなければならない。衆院選を最初の論戦の機会とすべきだ。
沖縄には「沖縄」と「日本」とを、ことさら対立的にとらえる主張も一部にあるが、こうした風潮に乗るべきではない。不安定さをもたらし、中国につけ込む隙を与えることは避けるべきだ。(転載おわり)
続いては、琉球新報です。
新知事に翁長氏 辺野古移設阻止を 尊厳回復に歴史的意義
新たな基地は造らせないとの民意は揺るがない。県知事選で、そのことがあらためて証明された。
米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設反対を掲げた前那覇市長の翁長雄志氏(64)が、政府と共に移設を進める現職の仲井真弘多氏(75)らを破り初当選した。
約10万票の大差は、県民が「沖縄のことは沖縄が決める」との自己決定権を行使し、辺野古移設拒否を政府に突き付けたことを意味する。
翁長氏には、政府の強硬姿勢を突き崩して移設問題など基地問題に終止符を打つことに全力で取り組むことを期待したい。
民意尊重は当然
在日米軍専用施設の74%が集中する沖縄に新たな米軍基地の強権的な押し付けを認めることは、県民自ら尊厳を否定するに等しい。今知事選は1968年の主席公選を勝ち取った住民運動同様に、沖縄の尊厳と誇りを回復できるかも問われた。
仲井真知事の辺野古移設工事埋め立て承認で、沖縄の尊厳と誇りを傷つけられたと感じた県民は少なくない。保守分裂選挙となったことがそれを物語っている。失われかけた尊厳を県民自らの意志で取り戻した選択は歴史的にも大きな意義を持つ。
一方、政府は選挙結果にかかわらず、辺野古移設を進めると明言しているが、民主主義国家として許されない。埋め立て承認で地元の了解が得られたと受け止めているようだが、それも間違いだ。
仲井真知事は前回知事選で県外移設を訴えて当選した。県民は辺野古移設推進にその後転じた仲井真知事を支持したわけではない。つまり地元の大半は了解などしていないのである。
政府は辺野古移設の是非を最大の争点とした知事選で示された民意を真摯(しんし)に受け止め、辺野古移設を断念すべきだ。それこそが安倍政権の言う「沖縄に寄り添う」ことを具現化することになる。
米政府も民主主義に立脚すれば、民意の重みを無視できないはずだ。
ことし1月の名護市長選では移設阻止を掲げた稲嶺進市長が再選された。にもかかわらず、政府は移設工事を強行着手した。新基地建設工事を既成事実化し、県民に無力感を植え付けることを狙ったことは明らかである。
だが、県民がなえることはなかった。新基地建設反対の意志をさらに強固なものにするきっかけにもなった。多くの県民が基地の県内たらい回し拒否に票を投じたことが何よりの証しだ。
県民支援が必要
東村高江では住民の反対を無視し、新たな米軍ヘリパッドの建設計画が進められている。翁長氏はオスプレイ配備に反対する立場からヘリパッド建設に反対している。建設断念に追い込んでほしい。県内全41市町村長が署名した「建白書」の求めるオスプレイ配備撤回の実現にも知事として力を注いでもらいたい。
基地問題の解決はこれからが正念場である。辺野古移設など米軍基地の過重負担を強いる政府の厚い壁を突き破るためには、県民世論の後押しが欠かせない。「建白書」の精神に立ち返り、さらに幅広いオール沖縄で基地問題解決を訴え、翁長氏を支援する態勢の再構築も求められる。
基地問題以外にも解決しなければならない課題は多い。
翁長氏はアジア経済戦略構想の策定による自立経済の発展や正規雇用の拡大、4年後までの認可保育所の待機児童ゼロ、子ども医療費の無償化などさまざまな施策を通して県民生活を豊かにすることを打ち出している。
那覇市長を14年務めた翁長氏の行政手腕、さらには那覇市議と県議で培った政治力、行動力を生かし、公約を実現するよう期待したい。県民は平和と豊かさの実感を望んでいる。県民の負託に応え、沖縄の将来も見据え、リーダーシップを発揮してほしい。 (転載おわり)
最後に、真打ち登場。我が日本共産党の「主張」です(T_T)/~~~
沖縄県知事選審判 県民の不屈の魂を示した勝利
米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)に代わる新基地建設(同県名護市辺野古〔へのこ〕)の是非が最大の争点となった沖縄県知事選で、保守・革新の垣根を越えた「オール沖縄」の代表として新基地断固反対を掲げた翁長雄志(おながたけし)前那覇市長が、大激戦を勝ち抜き、当選を果たしました。前回県知事選での普天間基地「県外移設」の公約を裏切り、新基地建設を承認した仲井真弘多知事を大差で破っての歴史的な勝利です。県都・那覇市長選でも城間(しろま)幹子氏が当選し、「オール沖縄」市政を継承しました。
「新基地ノー」揺るがず
18年前の1996年に新基地建設問題が持ち上がって以来5回目となった沖縄県知事選は、仲井真氏が新基地推進の立場を鮮明にしたことで、初めて新基地建設を許すのか阻止するのかが真正面から問われた選挙となりました。今回の選挙結果は、新基地を何が何でも押し付けようとする安倍晋三政権の卑劣な攻撃に決して屈しない沖縄県民の魂と誇り、「新基地ノー」の揺るぎない意思を示した画期的な意義を持ちます。安倍政権は新基地建設を断念すべきです。
仲井真氏が昨年末、3500億円近い「沖縄振興予算」を安倍首相から示されて「いい正月を迎えられる」と発言し、直後に新基地建設の埋め立て承認を行ったことは、沖縄県民の誇りと尊厳を大きく傷つけました。
同年1月、県内の全市町村長・議会議長、県議会全会派代表、主要な経済・社会団体代表が、普天間基地の閉鎖・撤去、県内移設断念、垂直離着陸機オスプレイ配備撤回を求めた「建白書」を安倍首相に提出し、新基地建設反対は「オール沖縄」の声であることが示されました。ところが、沖縄選出の自民党国会議員をはじめ同党県連の一部は、安倍政権の強圧に屈服し、「建白書」の立場から脱落しました。それに続き、仲井真氏が、「振興策」と引き換えに埋め立てを承認したのです。「沖縄の心を金で売る」に等しい屈辱的な態度は県民の怒りをかきたてました。「建白書」での大同団結、基地に依存しない沖縄の自立的な経済発展を訴えた翁長氏の勝利は、「心を金で売り渡さない」という県民の誇りと尊厳を内外に改めて示したことを意味します。
仲井真陣営や安倍政権による「共産党主導の県政を許すな」などの反共デマ宣伝は通用しませんでした。「巨大な軍事基地を造るため、サンゴとジュゴンの美(ちゅ)ら海を埋め立てることは絶対に許せない」「子や孫の代にまで基地の被害を残せない」という思いは、保守・革新の別なく、圧倒的多数の県民の願いであることの証明です。
「普天間基地は移設できなければ固定化する」「辺野古に移した方が格段に安全」などという脅しも、「宜野湾と名護の人々の命の値打ちは同じ」「基地たらい回しでは何も解決しない」という当然の主張の前に無力でした。
たたかいの発展さらに
安倍政権は、今回の選挙結果にかかわらず新基地建設を強行する構えです。民意に逆らう姿勢に道理はありません。新基地建設阻止のたたかいは、いよいよ正念場です。「あらゆる手法を駆使して新基地は造らせない」と公約した翁長新知事らとともに、沖縄と本土が連帯を強め、「新基地ノー」のたたかいをいっそう発展させようではありませんか。(転載おわり)
はい、三つの社説でした。
産経新聞の主張は私と同じ。琉球新報と我が日本共産党はというと、これはもう左翼のビラでしかありませんね。これだけ違うのですが、多くの家庭では一紙しか購読しませんから、考え方に大きく隔たりが出るのはいたし方ありません。
それでも、ネットユーザーが増えてきたことで、様々な情報を共有できるようになりました。このことで新たな発見や、自分にない考え方を知るチャンスはより大きなものとなりました。が、それでも新聞・テレビが垂れ流す情報を妄信する人びとはやはり多い。それが、沖縄県知事選で証明されたかたちになりました。
翁長氏に札いれした多くの県民は、「普天間固定化に賛成したわけじゃない!」と言うでしょう。であるのなら、琉球新報や沖縄タイムスでさえ論戦を避けるこの普天間固定化については少し考えれば理解できるはずなのですが、新聞の見出しとテレビの誘導により盲目とあいなりし多くの県民。誠にもって哀れとしか言いようがない。
縁側が知事選の翌日、職場で「普天間の危険性除去に反対の翁長へ投票したうちなーんちゅの特に宜野湾市民の脳内の危険性除去が先だな」と言ったらひんしゅくを買いました(T_T)/~~~
ここで産経新聞のコラム「産経抄」11月18日付けをご紹介。
沖縄危機
恥ずかしながら、最近まで知らなかった。鳩山由紀夫元首相が、政治活動で使う名前を「友紀夫」に変えていた。「友愛への理解を深める」のが理由というから、あきれてしまう。「最低でも県外」。鳩山氏の無責任な発言が、沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場の移設問題をこじらせ、地元に不毛な対立を生んでしまった。
▼政治家引退後も、非常識な行動は収まらない。尖閣問題で中国に利する発言を繰り返し、移設反対派に加担している。一時は沖縄知事選出馬も取り沙汰されたが、さすがに実現しなかった。
▼日曜日に投開票が行われた選挙で初当選したのは、名護市辺野古への移設反対を掲げる、前那覇市長の翁長雄志氏だった。政府は粛々と作業を進めるだけだが、工事阻止を狙う活動の激化は避けられないだろう。それ以上に気がかりなことがある。
▼沖縄在住の作家、恵隆之介氏によれば、翁長氏は「鳩山氏よりもっと危険な親中派の人物」だという。すでに那覇市内の市有地には孔子廟(びょう)が建てられ、中国の石材を使った、高さ15メートルもの龍柱の建設が予定されている。
▼翁長氏に名誉市民の称号を授与した中国福建省の省都福州市は、習近平国家主席のお膝元でもある。翁長氏の背後には、習氏の影が見え隠れする。中国共産党の機関紙はかつて、琉球諸島の帰属は未解決との論文を掲載した。翁長沖縄県知事は、中国の支援を受けて独立を果たし、日米両国政府に「米軍撤退」を要求するのではないか。
▼こんなシナリオを紹介した恵氏の近著『迫りくる沖縄危機』(幻冬舎)が、沖縄で売れている。にわかに信じがたい話だが、確かなことが一つある。沖縄は反米反日一色ではない。中国の脅威を懸念する声も高まっている。(転載おわり)
はい、いちおう惠さんの本のことはどうでもいいのですが、中国と翁長氏の関わりについては、トンデモ話として聞き流すには、ヘビーな話なのでね。これも見てください。翁長氏が市長時代(平成17年)の那覇市のホームページからのコピペです。
広報
先日、福州市から「栄誉市民」の表彰を受けましたが、何かものすごい歓迎を受けたと聞きました。そこで、まず、具体的にどのようなことで、表彰を受けたのか、と、中国式と言うのでしょうか、その歓迎ぶりについて、少しお話しをしていただけますか?
市長
私が名誉市民の表彰を受けたのは、上山中学校と福州市の外語学校との交流を行なうなど、市民の方々、それから歴代の市長を始め、職員が一生懸命、福州市とこれまで交流を続けていただいたことでの表彰であり、那覇市の代表ということで受け取って参りました。
その歓迎については、お国柄といいましょうか、すべての道路を交通規制して、厳重に警備されながらパトカーに先導され、ノンストップで案内してくださいました。また、夜には中国共産党のトップの方々、福州市長を始めトップの方々と、私たち那覇市から六名が参加し晩餐会が催され、たいへん感激をしまして、最後はカチャーシーをして終わりました(笑)。
ただ、びっくりしたのが、翌日からフリーになるのかな?と思ったら、ショッピングなどの個人的な時間が若干あったのですが、この若干にもパトカーが付いて来て、ほんの二時間ほど福州の街を自由に歩きたいと思っていたのですが、ぴったりと中国の警官と職員が尾行して、僕が選んだお土産にもジッと見ているので、「僕はここを動かないから、少し離れてください」とお願いをしたのですが、五メートル以上は離れず、またジッと見ていましてね。たいへん戸惑いました(笑)。
このような歓迎は、たいへんありがたいのですが、しかし今度は福州市からおいでになられた場合は、あのような歓迎は日本の体制ではできないので、引け目を感じますね。渋滞する国際通りを通行止めにしたり、車が通ると同時にパレット前の掲示板で「歓迎!福州市長」と歓迎したり、まず無理ですよね(笑)。
今回の出張では、福建省の博物館の一つのコーナーにある、琉球の人の名前が彫られたお墓を見て、先人たちが築いてきた福州市と那覇市の長い交流をあらためて感じることができました。
今後も交流の輪をしっかり受け継ぎ広げていこうと決意を固めた授章式でした。(転載おわり)
このインタビュー記事の中に出てくる「中国共産党のトップの方々」の中には、習近平もいたんじゃねーのか?(^^)
だいたいね、中国が領有権を主張している尖閣諸島のある沖縄県の県都である那覇市の市長を歓迎し、晩餐会を催し、栄誉市民にまでしてだよ、はい、さよなら!のわけねーじゃねーか。そこにいた「中国共産党のトップの方々」がその後、なんらかの方法で翁長氏に接触し、関係を深めていると見るのはまったく不自然じゃねーよな?だよな?まっ、そーいうことだよ、県民の皆さん。「建白書」、「オール沖縄」、「沖縄アイデンティティー」、「島くとぅば復活」などなど、これすべて翁長さんがすすめてたキャッチコピーです。どこかの国が喜びそうなフレーズですよね(T_T)/~~~
それと、翁長さんとこのお嬢さんは中国に御留学とのこと。上のように歓迎し、栄誉市民となった人の娘さんを中国共産党が「ただの外国からの留学生」として扱うでしょうか?ありえないと思うな~。
中国人が交渉相手を抱きこむために、相手の懐に入り込み心の琴線に触れまくるなんてのは朝飯前の仕事でしょうよ。そいでもって何かしらの「見返り」を要求してくるんだろ~な~(T_T)/~~~